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日本留学「変革」記
中国出身。2005年10月来日。
東京工業大学大学院理工学部研究科応用化学専攻修士課程2年在学中。
趣味は、料理、旅行。
将来の夢は、化学技術者になること。
研究テーマ:新しい触媒の開発と触媒活性の検討
 
 

周りの人と異なる道を選ぶことが、私の人生に「変革」をもたらしてくれたのかもしれないのです。中国は80年代が団塊の世代で、私はいわば、「一人っ子政策」の申し子として生まれました。この世代は家族に大事に育てられてきたため、自己中心的であったり、自分のことさえできない若者が少なくありませんでした。私もその中の一員でした。日本に来るまでの私は、「人生の歩む道は親に任せばいい」と安易に決め込んでいました。受験勉強しか知らず、受験で自分を失なってしまいました。

しかし、私は次第に自分に不足しているものが見えてきました。親のすねをかじっているだけでは、自分が大きく成長できないことを気づいたのです。最初は親への依存性が高い自分を変えていこうと思い、高校三年生の冬休みにパン屋でアルバイトを始めました。気温零下20℃余り、朝5時からの初仕事の辛さが、私に社会の現実を教えてくれました。一方でこのまま安定な生活を送り続けると、いつか社会の競争で負けてしまうのではないかと感じて不安になりました。自己変革の重要性と、それを実現するために、当時18歳の私は安定した中国国内の大学の進学を辞退し、親の反対を押し切って、日本への留学を決めました。そのときの私は、まさしく自己変革を起こしたのです。

日本への留学では、いっそうの自己変革を進めていくつもりでした。今までの6年間の留学生活を振り返って見ますと、その間に、1.自主性と独立性、2.視野の拡大、3.コミュニケーション能力の養成という三点が実現できました。

まず私の自主性と独立性は、両親への依存を脱するため、自力で学費、生活費を稼ぐことで経済的に親から独立しました。また研究生活を通して自ら問題を発見、思考、実行する自主性を身に付けました。

次に学校の授業や活動により、様々な価値観や考え方を持った学生たちと関わり、ディスカッションしていくことにより、多様な視点を学び、より広い視野に立ってものを考えることができるようになり、自分の視野を広げることができたと実感しています。

最後のコミュニケーション能力は筋道を追って話すスキルです。私はもともと口下手で、人を説得するのは非常に下手でした。これでは将来、社会に出て非常に不利だと考えて、話すスキルは身に付けるべきだと考えました。そのため実生活においてだけではなく、学内の授業や研究室の研究発表、また学会の場など、あらゆるチャンスをいかして、コミュニケーション能力を鍛えていました。

そういった自主性、視野拡大、コミュニケーション能力は留学生活を通じて得られた自己変革の例です。自分を変革することで、それまでなかったチャンスにめぐりあう道を開くことができました。今も常に自分の足りないところを見つけ、夢を大きく持ち続けることを意識しています。自分の軸を持ち、自分で考え、行動する力を将来の仕事で生かしていけると考えています。

 
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