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奨学生エッセイ
 
 
 
“大学生ならアルバイトをする”ことから私が理解できた日本の発展
ベトナム出身/2006年3月来日
大阪大学 工学部応用理工学科機械工学科目 4年在学中
趣味:スポーツ(サッカー、バドミントン)、釣り
将来の夢:技術者で起業家になること
 
 

現在、日本は世界のトップクラスの経済大国であり、工業技術の分野においてはおそらく世界一と言っても過言ではないと思います。私の周りの人々のほとんどもそのように考えているそうです。しかし、日本は天然資源が少ないながらもどうやって世界第二大戦から立ち直って、驚愕なスピードで今日のようになったのかと不思議に思う人は私以外にも多くいるのではないかと思います。このことを説明する説が多いようですが、私は日本の大学に入ってから見たある事実を知って日本の発展を理解できました。その事実は日本の大学生がほとんどアルバイトしながら大学生生活を送っていることです。

この事実は私にとって驚きのことです。なぜなら日本人の平均収入が比較的に高く、大学‐少なくとも国公立大学‐の授業料と生活費なら親たちに支給してもらえるのではないかと思ったからです。したがって、学生がアルバイトをする必要があまりないのではないかと最初に思いました。また、大学生だけじゃなくて高校生でもバイトをする人が多いと聞いていて、実際に私のバイト先でも高校生が何人かいます。ベトナムでは、大学生のなかでアルバイトをする人はとても少なく、授業料以外のお金が要るときは親からもらうか支給してもらった生活費から出すのが大前提です。調べてみると日本では最近数年のいくつかの調査結果から、大学生のなかの80%がアルバイトをしていて、とくに40%前後は家庭給付だけで修学可能ということがわかりました。しかし実に私を驚かしたのは、これらの数字より日本の大学生のアルバイトをする理由です。日本人に聞いたり、インターネットで調べたりすると、それらの理由は、自分の小遣いまたは旅行とほしいものの購入の資金のためや社会勉強のため、あるいは学校の枠外の友達作り、将来に備える知見・経験のためなどのようなしっかりした考えです。このことから、日本の大学生は親に依存する傾向がなく、自分がほしいものやしたいことのような自分自身の目的のために働いてお金を稼いでいるとわかりました。つまり日本の大学生には自立性と、自分のことに対する責任の意識がはっきりしています。私の日本人の友達のなかにも、好きなバイクを買いたいから自分でアルバイトして貯金してから買うようにした人や、研究室で最近決まった今年度の卒業生の夏旅行のためにバイトする気満々の友達などがいます。

こうしたまわりの日本人の友達の自立性に対して、私は皆偉いと感服する思いでいます。実はこの文章を書くために、このテーマについてベトナムにいる友達、なかには大学生にバイトを紹介する事業を展開中の友達に聞きましたが、どうやらベトナムの大学生の大半以上は上述するような日本人大学生が持つ意識さえ持ってはいないようです。授業料や必要最小限の生活費のような親からもらっても可笑しくないと思われるお金以外に、自分の好みを満たすためであっても親にお金の支給を請求する人が意外に多いです。それに対して日本人大学生はアルバイトをやることを通じて大学で知識を勉強する以外、社会人になるための知見を身につける必要があることを認識できています。社会に踏み出す直前の年代として、大学生にとってこういった認識ができることはとても大事だと思います。こうして将来、国をリードする若者階級である大学生たちが早くも自立して、何かが欲しければ自分で汗を流して働いて手に入れるということをちゃんと意識できていて、普通にやっていることがあったからこそ世界に誇れる大国の日本が築かれているのだ、というふうに私は理解できました。

それで、少しでもベトナムが日本のように強くなってほしいと思い、日本人大学生のこういう意識をまず自分が身につけ、ベトナム人の友達や自分以下の年代の若者と会うたびに“日本人大学生のほとんどがアルバイトしているよ”と話をして、ベトナムの若者へ“もっと自立しよう!”の考えを伝播していこうとしています。

 
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